北海道の旭川と稚内を結ぶ最北の鉄道路線は、大自然や駅舎の魅力があるのに列車の本数が極端に少なく、移動に苦労する路線です。さらに人口が希薄な地帯を進むため、駅との間の距離が大きく駅巡りは困難を極めます。車があれば簡単に移動可能ではありますが、ここはせっかくの鉄道旅!鉄道で移動して駅巡りしたいですよね?
そこでこの記事では宗谷本線で様々な駅で下車した経験を元に、おすすめ駅巡りプランを6つご紹介したいと思います。またすべて本数の少ない名寄以北という縛り!なお、すべて一日で完結する移動であり、複数の移動プランを組み合わせて旅行をすることも可能かもしれませんが体力が必須です・・・
智恵文、智北、美深|智恵文沼パークで水辺の休憩
初めに紹介するのコースは智恵文駅始まり。智恵文駅とお隣智北駅は宗谷本線にしては珍しく駅間距離が徒歩30分程度という短い距離にあります。そのため2駅セットで巡るのが良いでしょう。智恵文駅周辺は郵便局があり、民家もあって人がいるんだな~という感じでした。これから紹介するほかの駅と比べるとしばらく廃止になることはないのかなという印象でした。
途中には智恵文沼パークという水辺の休憩スポットが…! 何かあるというわけではないですが、水鳥を見ながらぼーっと時間を過ごすことができます。
沼パークで小休止してしばらく歩くと智北駅が!私はここで次の列車を待ち、美深駅へと向かいました。なお、本数が少ないので上り列車から下車すると次は下り列車に乗るといった具合で行ったり来たりすることになるパターンが多いです。
今回バスは使いませんでしたが、智恵文駅から30分くらい歩くと列車よりは本数の多い名士バス恩根内線のバス停があります。こちらを利用すると名前の通り恩根内駅まで連れてってくれますよー
また、こちらの記事でも智恵文~智北の旅を取り扱いました。具体的な(当時の)時刻表とともに音威子府から名寄までの旅について解説しています。
日中7時間で5駅を鉄道とバスで巡る
恩根内、初野、美深|チョウザメ水族館にも行ける
恩根内駅は駅前にバス停がある珍しい(?)普通列車のみ停車する駅です。また、トイレも完備という旅人にはありがたい施設。恩根内駅周辺はこれといった観光地はありませんが集落開拓の記念碑が置いてある公園があったり、北海道開拓時代の史跡があったりとバス待ち中のお散歩ポイントはちらほらありました。
さて、隣駅まで結構距離があるため名士バス恩根内線での移動です。日中は2時間に1本という比較的多い運行で名寄まで連れて行ってくれる鉄道旅にはありがたい存在ですが、今回は途中の道の駅で途中下車。
美深町ではチョウザメの養殖がなされているそうで、小さな水族館(入館無料)が道の駅と同じ敷地にあります。水族館というよりは水産試験場のような雰囲気で養殖している大きなプールを見ることもできました。また、道の駅ではしっかりとお昼ご飯を食べることもできるので休憩にはちょうどいい場所。
その後、初野駅まで徒歩で行ったのですが…正直これはおすすめしません。というのも度々出てきている名士バス恩根内線で初野駅の近くまで行けるので、利用できるものは利用したほうが良いです。(またバスに乗るなら2時間待ちですが…ちょうど列車が来るスケジュールだとなお良しですね。)
歩くとこんな感じです。わざわざ歩いたのは途中の紋穂内駅(廃止済み)の様子を見てみたかったというのもあるのですが、跡形もなく撤去されていたようでした・・・
歩き疲れたところで初野駅へと到着、木貼りのプラットフォームはぬくもりを感じます。2024年に廃止される予定で、駅としての役目もごくわずか。紋穂内駅のようにすぐに撤去されてしまうのでしょうか。。
抜海、南稚内、稚内|オロロンラインの絶景
こちらは主に抜海駅を見に行くコースです。宗谷本線の中でも特に景色の良い利尻富士を望む抜海~南稚内の区間をレンタサイクルで走り抜けます!
ちなみに抜海駅へ気軽に歩いていけるような路線バスはないため、公共交通機関に頼るのが難しいのが現状。手早くいくにはレンタサイクルで行くしかないように感じます。自転車を借りた稚内駅からは約60分でした。途中展望台(トイレあり)があり休憩ポイントもあります。詳しくはこちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください!
時間があれば抜海駅に行ったあとノシャップ岬まで向かうというコースもありそうですね。(頑張れば兜沼、勇知駅も・・・?)
天塩川温泉、咲来、音威子府|地域のバスをフル活用
これから紹介する3コースは、下調べして実現できそうだけど、まだ行けていない駅巡りコースとなります。
天塩川温泉は名前の通り近く(徒歩10分程度)に温泉宿がある駅。温泉宿に泊まり、ここからスタートするのも良いかもしれません。また、お隣の咲来とその次の音威子府駅までは音威子府村地域バスが運行されており、駅間移動に利用できます。なんと運賃は無料!
バスを利用する分、道の駅などでお買い物して村を応援したいですね。
糠南、問寒別|いわずと知れた秘境駅
たぶん宗谷本線で一番有名な秘境駅である糠南駅。実はおとなり問寒別駅までもそんなに遠くないため孤立した秘境というわけではないのです。(もう一つのおとなりである雄信内駅のほうが孤立してます)
そのため、糠南から問寒別まで歩いて列車を待つということもできそう。ただ名士バス、音威子府村のバスのように路線に沿って路線バスが走っていないため1日3往復の普通列車頼みになるというところが難易度を高めます。
豊富、下沼、幌延|レンタサイクルで広大な湿地へ
最後に紹介するのはサロベツ原野に面した3駅!豊富駅は石油が混じった温泉でも有名な街です。豊富と幌延はどちらも特急停車駅であり、レンタサイクルのレンタルも可能な駅。どちらかの駅で自転車を借りて原野へ駆け出すということができます!幌延駅のレンタサイクルは行ったけど借りれなかったという口コミを見ました。台数は限られているため、注意は必要です。
幌延駅
豊富駅
また、となり駅の下沼駅に寄って、そのついでに展望台へ向かうという楽しみ方もあります。湿地と展望台に近いのはどちらかというと豊富駅になります。